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『ジャナ研の憂鬱な事件簿』

   

酒井田寛太郎 先生の「第11回小学館ライトノベル大賞・優秀賞」受賞作。先輩の後を継ぎ
「ジャーナリズム研究会」編集長を務める少年が抱く報道へのトラウマと葛藤を描きます。
(イラスト:白身魚 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094516791


時には過激な内容も辞さないことで知られる学生新聞「波のこえ」。過去の苦い経験を経て
ジャーナリズムをエゴイズムと解くようになった“啓介”はそれを毒にも薬にもならぬもの
にしようとするが、ある事情を抱える女子生徒を助けることで思わぬ方向へと動き出す──。

モデルの経験をもつ“真冬”に仕組まれた罠に気付いた“啓介”。洞察力、情報分析能力の
高さが次々に浮き彫りとなっていくからこそ彼が抱く「報道」への思いと重さが伝わるかの
ようで。独特の面倒くさい人間関係も日常系ミステリーの作風に一役買う形となっています。

期せずして校内の厄介ごとを解決していく流れが最後の「さようなら、血まみれの悪魔」に
結びついていく話の構成もお見事。“啓介”を軸としながらも“真冬”の物語でもあったと
言える締め括りも良い読了感を味わえました。シリーズ化を希望したいお薦めの作品です。