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始まりの魔法使い 1 名前の時代

   

始まりの魔法使い 1 名前の時代 (富士見ファンタジア文庫)

《あらすじ》
かつて神話の時代に、ひとりの魔術師がいました。彼は、“先生”と呼ばれ、言葉と文化を伝え、魔法を教えました。そんな彼を人々はこう呼びました。―始まりの魔法使い、と。そんな大層な存在ではないのだが―「だから火を吹かないで!」「ごめんごめん。私にとってはただの息だからさ」竜として転生した“私”は、エルフの少女・ニナとともに、この世界の魔法の理を解き明かすべく、魔法学校を建てることにした。そこで“私”は、初めての人間の生徒・アイと運命の出会いを果たした―。これは、永き時を生きる竜の魔法使いが、魔術や、国や、歴史を創りあげる、ファンタジークロニクル。

竜の魔法使いの視点から広がる国や歴史の変遷、人々の言葉や文化の発展。そして竜に転生した主人公が共に時間を過ごした人々との出会いと別れ。異世界転生ファンタジーとして一括りにするには、センチメンタルでドラマチックな展開が強く、竜と人間の間にある絶対的な種族の垣根と生命がもたらす神秘性が味わい深い内容でした。

ページ数が進んでいき章をまたぐごとに歴史が大きく変わり、作中のキャラクターの成長や容姿の変化さらには老いまで鮮明に描かれていて、種族による定命の残酷性が心にしみる。竜とエルフと人間を比較すれば、人間の生命が他に比べて明らかに早く散ることがわかってはいるけれど、それでも今一時を生きていく姿とその一生が綺麗に描かれていて素晴らしかった。
竜に転生したばかりでまだ自分の体に不慣れな時期に生じた珍騒動や、ちょっとした日常でのエピソードや和気あいあいとした光景もふんだんに盛り込まれていて、読み応えのある作品でした。

カクヨムWeb小説コンテスト特別賞を受賞しての書籍化作品で、まだまだ今後のさらなる物語の世界が広がるポテンシャルを持った作品でもあるので、今後はどんな物語に話が進行して読者を楽しませてくれるのかが非常に期待できる作品。
個人的にもオススメのライトノベルとなっているので、興味のある人は是非買ってみてください。