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独占インタビュー「ラノベの素」 昼熊先生&暁なつめ先生『この素晴らしい世界に祝福を!エクストラ あの愚か者にも脚光を!』

   

独占インタビュー「ラノベの素」。今回は2017年8月1日にスニーカー文庫より『この素晴らしい世界に祝福を!エクストラ あの愚か者にも脚光を! 素晴らしきかな、名脇役』が発売となる昼熊先生暁なつめ先生です。「このすば」の人気キャラクター総出演による公式外伝の内容はもちろん、執筆者と原作者それぞれの立場からみた外伝誕生の秘話など、様々なお話をお聞きしました。

 

 

 

 

【あらすじ】

「金も無けりゃ、女もいねえ!」チンピラ冒険者のダストは今日もアクセルで金策に励む。ある日、大悪魔バニルの『先を見通す』力で不吉な予言を告げられて!? 『このすば』人気キャラ総出演による公式外伝、始動!

 

 

・昼熊(インタビュー内は

スニーカー文庫刊『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』などを執筆。「このすば」公式外伝の執筆を担当。

 

・暁なつめ(インタビュー内は

スニーカー文庫刊『この素晴らしい世界に祝福を!』などを執筆。

 

 

――今回はお二方にご登場いただきます。どうぞよろしくお願いします。

 

:よろしくお願いします。

 

 

――各自己紹介は過去のインタビュー記事(暁なつめ先生昼熊先生)をそれぞれ確認していただくとして、お二方はもともとお知り合いというわけではないんですよね。

 

:そうですね。

:知り合いではなかったですね。

:特に僕は他の作家さんとの繋がりはゼロなので(笑)。

 

 

――ゼロですか。WEB小説を経て出版されている方々は、なんらかのコミュニティに所属している印象が強かったので驚きです。

 

:以前に参加しませんかっていうお誘いはあったんです。ただ、出版が決まった当時はそういう仕組みというか集まりとかもよくわかっていなくて、うさんくさいと思って断ってました(笑)。

:まぁ、うさんくさいですよね(笑)。

:なので、お断りしていたら連絡はこなくなりましたね。それと僕個人のイメージですけど、作家さんには明るく社交的なイメージがあまりなかったので、WEB小説出身の作家さんたちがそれぞれコミュニティを作っていることには驚きました。

:自分も出版が決まった時には知らない方からメッセージが届きましたよ。普通にファンですって言われたんで、ほいほいつられていきましたね(笑)。それで話をしていたら、その方も書籍化するんですみたいなお話を聞かされて、作家さん同士のチャットルームもあるんですって誘われました。のこのこチャットルームに行ったら、『Re:ゼロから始める異世界生活』の長月達平先生とか、『無職転生』の理不尽な孫の手先生がいましたね。

:そこで人脈が広がったんですね。

:そこ止まりですけどね。人が多過ぎてもわけわからなくなるんで(笑)。

 

 

――さて、今回は異なる作者が描く「このすば」初の公式外伝ということですが、お二人で打ち合わせなどはされているのでしょうか。

 

:基本は担当の編集さんを通してって感じです。暁なつめ先生との顔合わせも実は今回が2回目でして。1回目は外伝を担当させていただきます、って簡単な挨拶程度でした。新年会の時でしたっけ?

:そうですね。あの時はめちゃめちゃ人がいましたからね。じっくり外伝の話ができるような雰囲気でもなかったですし(笑)。

:僕も暁なつめ先生を独占したら周囲に怒られると思って、挨拶した後はスッと壁際に去りました。

 

 

――外伝のお話自体はいつ頃から動き出していたんですか。

 

:声をかけていただいたのが去年の年末くらいだったような気がします。

:その時はまだダストをメインにすることは決まってなかったんですけど、別の作家さんに外伝を書いてもらってはどうかっていう話をされました。

 

 

――昼熊先生は外伝を担当してみないかというお話を受けた時はいかがでしたか。

 

:お話をいただいて、まずは驚いたんですけど、こんなチャンスもそうそうないと、テンションも一気に高くなって即答しました。ただ、即答してから少し時間が経って、「冷静に考えるべきだったんじゃないか?」っていう不安もあふれ出してきましたね。『この素晴らしい世界に祝福を!』は僕自身もファンで、ファン目線からすると別の作家が書く外伝にはどうしても複雑な気持ちを抱かざるを得ない。これは自分が外伝を担当するという観点から見ても例外じゃないんですよね。なので、いろんな方からどんなふうに思われるんだろうって考えながら、それでも自身のファン目線と作家目線から、他の方よりも面白い作品が書けるんじゃないかと最終的には開き直って腹を括りましたね。よし、やってやろうじゃないかと。

 

 

――暁なつめ先生は外伝のお話、そして昼熊先生が担当をされるというお話をうかがっていかがでしたか。

 

:許可なんかも即決しましたね。基本、コミカライズだのいろんなものが結構出てると思うんですけど、話がきたら即答という感じで。もうお任せします、みたいな。最近はいちいち許可とりにこなくてもいいですって言ってるんですけどね(編集部注:どんな案件でもきちんと確認しております)。それと昼熊先生ってアレなんですよ。『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』のほかにも『俺は畑で無双する』っていう奇抜なものもWEBで書かれているんで、コメディ系を任せるんだったらいいんじゃないかなというのはありましたね。

 

 

――それでは公式外伝『この素晴らしい世界に祝福を!エクストラ あの愚か者にも脚光を!』の内容について教えてください。

 

:この作品は本編でも登場しているチンピラ冒険者のダストが主人公です。常日頃からお金に困っているダストが、悪戦苦闘しながら金策に挑むんですけど、結局うまくいかないというストーリーがベースです。ただ、それだけで終わらないお話を書こうと思って取り組みました。読者がダストのことを好きになってくれたら嬉しいかなと思いまして。暁なつめ先生がいる前で言うのもあれですけど、カズマはクズって言われてるじゃないですか。でもダストはもっとクズかなと思って書いてます(笑)。

:ダスト……いいですよね。

:クズさとちょっとした良さを出してあげられたらと思って、執筆しましたね。

 

※チンピラ冒険者のダスト

 

 

――外伝の決定にあたって、主人公はダストに決まっていなかったというお話が最初あったと思うのですが、他にはどんなキャラクターが候補になっていたんですか。

 

:盗賊のクリスをはじめとした女性キャラクターで、というお話もありました。その中にはダクネスを中心にして書くっていう話もありました。ただ、よくよく考えればわかると思いますが、1巻まるまるドMな話になるだろうなっていうのもあって、ダクネスが主人公というお話は流れましたね。

:ダクネスはこんなとこでも不遇な感じで。

:もっとも本編でもかなり触れられていますしね。そういった中でメインキャラを外して考えると、案外まともなキャラクターしか残らなくて少し悩みました。紅魔族やアクシズ教団は最初から除いてはいましたけど。自分としては主人公をハジけさせたいと考えていました。そこでダストが候補として挙がってきて、いけるんじゃないかと。暁なつめ先生が執筆する他の外伝でも少し触れられていますし、謎めいた設定もある。さらに原作者一番のお気に入りキャラクターでもある。これで決まりだなと。

:ダストはある意味一番練っているキャラクターでもありますからね。

 

 

――本作のストーリーについてはどのように考えられているんですか。

 

:基本は僕と担当編集さんで考えたプロットを暁なつめ先生に見てもらっている感じですね。

:そうですね。プロットが送られてきて、どうぞどうぞみたいな(笑)。

:スッって通っちゃいますからね(笑)。むしろスッといきすぎて逆に心配になって、もっと暁なつめ先生に確認してもらってください、って編集さんに懇願してます。ダメだしの数が安心材料みたいな。

:それでも即決すると思いますけど(笑)。

:ダストの細かい設定もいただいていて、まだ本編に出てきてない設定もあるから心配なんですよ。

:うーん、でもあの設定、本編に今後出てくるんですかね(笑)。

一同:――(笑)。

 

 

――先ほどおっしゃられたようにダストの設定は細かく練られているんですよね。

 

:ダストはA4用紙2枚分の設定資料を書いて昼熊先生に渡してます。過去に何があったのか、細かな内容になっている方かなと。なので、最初は渡した設定をすべて出すものだと思ってました(笑)。

:さすがに全部出すわけには(笑)。ただ、本編を読んでいる人にはダストのバックボーンが少し見えてくるかな、という描写はしています。いちファンとしては本編でいずれ明らかになるであろう設定を知ることができてラッキーだったなと(笑)。

:散々伏線ばらまいておいて、投げっぱなしにするかもしれませんけどね(笑)。

 

 

――暁なつめ先生は実際に昼熊先生の書かれたストーリーを読んでみていかがでしたか。

 

:いや、こんな感じかなと(笑)。作者が半分忘れかけているようなキャラクターも出てきて、「ああ、いたなぁ」って思いましたよね。

:オリジナルキャラクターはできる限り出したくなかったんですよ。なので、本編や外伝に登場したキャラクターに極力絞り込もうと思って、これまでの書籍の中からどんなに短い表現の登場であっても、使えそうなキャラクターは全部抜き出して材料にしています。

:本編でも2~3行くらいしか出てきていないキャラクターとか登場しますからね。

:ホモ貴族ですか(笑)。

:第7巻のダストが女ものの下着を履いて、カズマが写真に収めるっていうわけわかんないシーンに出てきたホモ貴族(笑)。

:本編から引っ張り出した時は、このキャラクターは使ったら面白そうっていう思いしかなかったですからね。登場シーンこそ少ないですけど、すごく活きてましたし(笑)。ダストにも絡んでいて、性格もある程度固まってる。これはイケる、むしろイケないはずがない、と。

:外伝だとホモ貴族の登場シーンもやたら多いですからね(笑)。

 

 

――主人公のダストに限らず、アニメなどでもお馴染みのキャラクターが登場するのも魅力だと思います。

 

:これは私のファン心理として、本編の裏側ってどうなっているんだろうという点を題材にしていることが大きいと思っています。本編の物事における裏側の繋がり。カズマたちがアクセルの街を離れた時に、アクセルの街では何が起こっていたのかだとか、ダストとパーティを取り換えた時に、実際にはダストがどんな目にあっていたのかだとか。本編では絶対に書かれることがないだろうけど、ファン心理として知りたかったというお話を物語に絡めようと意識しましたので。

 

 

――外伝のイラストレーターは憂姫はぐれ先生が担当されていますが、お二方の印象に残っているイラストはありますか。

 

:ダクネスのとある姿がいろんな意味で凄いなと。

:サキュバスの姿ですね。

 

 

:いきなりネタバレ(笑)。

:せっかく言葉を濁してくれているところ申し訳ない(笑)。

:でもあの格好のイラストは必見ですよ。ああ、すごいなって思いましたもん。

:あとはロリサキュバスも可愛らしいなと。TVアニメ第1期に登場してから出世しましたね(笑)。

 

 

 

――ファンでもあるとおっしゃられていた昼熊先生が好きな「このすば」のキャラクターを教えてください。

 

:もちろんここではダストと言うわけですけど(笑)。いや、ダストも好きなんですけど、バニルとダクネスもすごく好きです。この二人が初めて出会って乗っ取られるシーンがあるじゃないですか。あのシーンに大笑いをしてしまって、ずっと印象に残っているんですよ。アニメでもあのシーンは放映されましたけど、とても面白かったです。何回も読んで暗記しているレベルにも関わらず、もう1回笑わせてくれるだなんて、声優さんの凄さを感じましたね。

:あのシーンの収録時はアフレコ現場に行っていたんですけど、面白かったですね。本番前のテストのノリもすごくて。本番じゃなくてそっちを採用しようみたいな柔軟なノリもあそこの現場にはありましたね。あそこの現場といっても、現場はそこしか知らないんですけど(笑)。

:あとはアクシズ教団の最高司祭のゼスタがいいですよね。欲望に忠実なところとか、実力であることとか。

:作中ぶっちぎりの変態ですね。

:あそこまで行くと逆にすごく魅力的だなと(笑)。

:あれでも書籍版は抑えているんですよ。WEB版の時はもっと頭のおかしいセリフを叫んでましたから。後に抑えた部分が全部さらけ出されると思います(笑)。

 

 

――アフレコの話題が出たので少し触れておきたいのですが、アニメ第2期では現場に足を運ばれていたようでよかったです(笑)。

 

:頑張って行きましたよ、ちょろっと(笑)。半分くらいは行きましたね、珍しく。

 

 

――あらためて少し振り返る形になりますが、アニメ第2期の放送を終えて感想などがあればぜひ。

 

:まさか2期までやってもらえるだなんて、もう思い残すことはないですね。これでいつでも死ねるみたいな(笑)。あ、一応完結まで原稿をあげてからですかね。

一同:――(笑)。

 

 

――そういえば、前回のインタビューで周囲に作家認定をしてもらえず悩まれていた状況にその後変化はありましたか。

 

:知り合いからお金貸してくれって連絡がきました(笑)。何年も会ってなかったんですけど。

 

 

――あまり掘り下げるのもはばかられるお話ですけど、そのお知り合いは暁なつめ先生が作家をやられていることを知っていたんですね。

 

:人伝手に聞いたっぽいですね。人伝手にでも伝わるくらいには広まっているようで、それはそれで嬉しかったですね。いや、お金は貸しませんでしたけど。

 

 

――喜んでいいのか大変複雑なお話でした(笑)。

 

:あとは高校1年生の甥っ子がサイン頂戴って言ってきましたね。

 

 

――今度は心温まるお話になりそうですね。甥っ子さんにはサインをしてあげたんですか。

 

:いや……。

 

 

――書いてあげなかったんですか(笑)。

 

:書かなかったですね。むしろ身内だからとか、甘やかしたりはしないですね。どっちかといえば、ずっと作品を追ってくれているファンのみなさんの方が大事なんで。遠くから足を運んでサイン会に来てくれた人にも申し訳ないので、家族だからって絶対甘やかさないです。アニメのDVDも欲しいって言ってましたけど、自分で買えって言いましたからね(笑)。

 

 

――身内に大変厳しいお話に(笑)。とはいえファン向けのサイン会のご予定は……。

 

:ないですしこれからも多分ないんじゃないですかね(笑)。

 

 

――外伝も注目なのですが、同時発売となる本編第12巻、そして一足早く第12巻に同梱して発売となったOVAについても少し教えてください。

 

:第12巻ではカズマとダクネスの関係に決着がつくかもしれないですね。OVAではアニメの金崎監督から、とあるキャラクターを出してほしいという要望をいただきました。それで原案を2本出したんですけど、両方使いたいっていう話になって、合体させたストーリーになってます。少しネタバレしちゃうと、カズマのファンのような女の子が出てきます。カズマとしてはいいところを見せようとするんですけど、いつものパターンになっちゃう感じですね。その物語に監督要望のキャラクターも登場してくるので、ぜひ見てみてください。

 

 

 

――それでは最後にファンのみなさんへ向けてそれぞれ一言ずつお願いします。

 

:一言ですか。どういう感じだといいですかね。読者さんへの一言ですよね。いつもおんなじセリフになっちゃうんですけど。●●●ですとかはマズイっすか?(笑)。これは言っちゃダメ? 一言の第2案よこせ?

 

(紆余曲折あって)

 

:アニメ2期が無事終われたのも読者のみなさまのおかげなので、これからもよろしくお願いします。外伝も普段スポットが当たらないキャラがあらためていろいろ活躍しているので、その辺も楽しんでいただければなと思います。

 

:暁なつめ先生がNGワードを連発しすぎて無難な一言に(笑)。えーと、今回の外伝は手に取る方がほぼ100%『この素晴らしい世界に祝福を!』のファンの方だというのはわかっているので、みなさんの期待を裏切らないよう全力で取り組んだつもりです。読んでがっかりされることはたぶんないと思います(笑)。あとはダストの魅力ですね。外伝を読んだ人がダストのことをちょっとでも好きになってもらえたら嬉しいです。それと新シリーズなども鋭意準備を進めておりますのでそちらもあわせてご期待ください。

:ダストは知れば知るほど嫌われるキャラだと思いますけどね(笑)。

:そんな(笑)。

 

 

――発売、楽しみにしています。本日はありがとうございました。

 

 

<了>

 

 

大人気シリーズの公式外伝を手掛ける昼熊先生と、本編第12巻が同時発売となる暁なつめ先生のお二人にお答えいただきました。ダストを中心に描かれる脇役たちの物語はもちろん、ダクネスとの関係に決着がつくかもしれない(?)という本編第12巻が発売となる『この素晴らしい世界に祝福を!』に注目です。

 

 

©暁なつめ・三嶋くろね昼熊憂姫はぐれ

 

[関連サイト]

『あの愚か者にも脚光を!』特設サイト

『この素晴らしい世界に祝福を!』原作特設サイト

スニーカー文庫公式サイト

 

 

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