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理想のヒモ生活 9

   

理想のヒモ生活 9 (ヒーロー文庫)

《あらすじ》
『瞬間移動』の魔法を会得し、双王国へやってきた善治郎を待っていたのは、ブルーノ王の退位宣言であった。善治郎はもちろん、双王国の貴族達にとっても寝耳に水の宣言に、騒然とする『紫卵宮』。末王子であるラルゴ王子を中心に、多くの貴族は、突然の王の退位に反対の姿勢を示す。そんなラルゴ王子達をブルーノ王は、尊き客人にいらぬ誤解をさせることになると諌める。また、双王国では、新たなる王は即位する際に、四人の公爵に『魔道具』を送り、四公から返礼の品をもらうことで、初めて王として認められるのだが…。善治郎は他国の王位継承に絡む権力争いに巻き込まれていくのだった―。

双王国の王位継承争いから、国の有力者たちの勢力図と各人の思惑が働く外交の場での交渉シーン。言葉を交わしていく中での建前とその裏に隠された真意を正確に読み解くために、リアルタイムで思考を巡らせ、双王国の政治状況と照らし合わしながら現状で善治郎がとれる最善の選択肢をとっていく。
地の文での善治郎の筋道を立てた現状把握が恐ろしいくらいに読みやすくて、内政・外交がメインになる作品としても圧倒的に面白い作品だと断言できる。物語全体の流れを俯瞰すると、善治郎が双王国に訪れて国の重要人物と言葉を交わして自国の今後に関わることをいくつか取り決めるだけで終わって、時間の経過を実感する要素が薄くとれるかもしれないけれど、全ては『面白ければそんな細かいことはどうだっていい』で一掃できる。
どこが見どころ化といえば、ページをめくって冒頭の部分から既に気の抜けない場面が始まって、最後に自国に帰還して今回の双王国への訪問で起きたことをアウラに事後報告する場面の全てにおいて、終始読み応えがありすぎて区別が付けれれない。超面白かったです(小並感)