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詩葉さんは別ノ詩を詠みはじめる

   

詩葉さんは別ノ詩を詠みはじめる (ファミ通文庫)

《あらすじ》
大切な想いや言葉が形となった“迷い言”が視える藍川啓人は、数年前の事故で亡くした幼馴染、高森閑香の“迷い言”に出会う。事故の時、助けられず後悔していた啓人は、彼女の本当の想いを知るため“迷い言”の声を聞くことができる“伝え人”、梅ヶ枝詩葉の元へ連れて行くことに。そして詩葉の力を借りて、閑香が伝えられなかった最期の言葉を聞こうとするのだが―。大切な人への想いを巡る、切なくて暖かく、そして少しほろ苦い感動の青春ストーリー。

中学時代に事故で亡くなった幼なじみの死をきっかけに疎遠になったかつての友人たちが、『高森閑香の迷い言が最後に伝えたかった言葉』をきっかけに再会を遂げて巻き起こす感動のクライマックスには心を打たれた!!

いつまでも事故の時の後悔に駆られ苦悩を続ける友人たちを相手に、主人公と梅ヶ枝詩葉だけが視ることができる『迷い言』というオカルト染みた存在を信じさせることが最大の難関。幽霊のような存在であり、二人以外に対して間接的に存在を表明することもできないなか、友人たちを説き伏せて『最後の言葉を伝えるためにさまよう高森閑香の迷い言』を向き合わせるか。友人たちが事故に対して抱える悩みに真正面から向き合う姿勢には、主人公の真摯に向き合っている格好があって、これから成し遂げようとしていることへの本気度が鮮明に伝わってきました。

『迷い言としていられる時間にも限界がある』という枷もあって、『高森閑香の言葉を伝える最後のチャンスを逃したら一生後悔する』未来を示唆していて、切迫感を演出したままノンストップでクライマックスを走破することで感動ストーリーとして収束されていて素晴らしい作品でした。

ファミ通文庫の19周年企画で打ち出すだけのことはある傑作であったことは間違いないです。