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『ポンコツ勇者の下克上』感想

   

ポンコツ勇者の下剋上 (MF文庫J)

ポンコツ勇者の下剋上 (MF文庫J)

ストーリー
王立士官学校の卒業を間近に控えたクロウ。ある日彼は、選ばれし勇者にしか扱えない神剣――聖光剣エクスキャリバーの声を聞いてしまう! 声の主である聖光剣の精霊・ホリーが言うには、世界を滅ぼす魔王が復活するため、一刻も早く勇者を探して聖光剣を渡さないといけないらしい。クロウは、剣を勇者に届けるというお手軽なお使いだけで世界を救う立役者になれるならと快諾し、勇者を探す旅に出た。ところが問題児のクロウと、性格がハチャメチャなホリーの2人で旅は前途多難! さらに見つけた勇者は、なんと奴隷の幼女で――!? 一体どうやって連れて帰ろう……? <あの子の主を、私を使ってぶった切れば良いんじゃないですか?>「良くねえよ!」

MF文庫Jライトノベル新人賞<審査員特別賞>受賞作品。
剣の腕もショボければ体力もない、聖剣の声が聞こえるだけの凡人が、周囲から誤解されながらも世界のために勇者を探しだすファンタジーコメディ。
残念な主人公に残念なヒロイン(聖剣)、やらかすことはアホだらけ。でも皆を救うために覚悟を決めた彼らの勇姿は、たとえ神に選ばれていなくても、勇者そのもの。楽しく笑えてラストでは胸を熱くさせてくれる、満足の1冊でした。


勇者に選ばれたわけでもないのに、なぜか「聖光剣エクスキャリバー」の精霊ホリーと会話することができてしまった青年クロウ。
5年後に魔王が復活する前に勇者と聖光剣を引き合わせる必要があるのだけれど、士官学校の中でも最下位の成績を叩き出しているクロウの言うことなど、誰も信じてくれるはずがない! そうだ、盗もう! となる残念っぷりが切ない。
まあクロウはね、多少“クズめ”ではあるけれどまだいいですよ。問題はホリーの方ですよ。口を開けば出てくる毒舌といい、肝心なところで披露してくれるポンコツぶりといい、勇者が携えし聖なる剣とはとても思えない俗物でした。アンタよくこれまで何度も世界救ってこれたね……(汗)。


ホリーに従って出会った勇者は、なんと奴隷の幼女。過去に勇者だった人間は皆男性だったということもあり、余計に周囲の信用を得ることが難しくなってしまいました。
で、こうなる。まあそうなっちゃうよねー。剣を盗んだことは事実だもんねー。それにしたって、もう少し話をちゃんと聞いてくれてもいいんじゃないかとも思いますけど……。クロウの人望のなさは本物だったよ……。
味方はホリーだけ。他には誰一人信じてくれない。でも世界は確実に滅びに近づいていて、それを救えるのは自分しかいない。
そんなとき、凡人たる青年は勇者になる。やっぱり剣が上手いわけじゃないから、ホリーの力でドーピングして、相手の隙をつくような戦い方で、どうにも締まらないけれども、その姿はやっぱり勇者でした。神が選ばなくても僕は信じる。彼もまた勇者だったのだと。
さて、一件落着かと思いきやエピローグでは予想外の展開へ。やだクロウさんったら、モテ期ですか? 魔王復活まであと5年。クロウとホリー、そしてシオンの物語がどう転がってゆくのか、今後の物語も楽しみでなりません。


イラストはぐれーともすさん。肌色! ホリーさん、その鎧全然体を隠せてませんけど!
やっぱりシオンが可愛いです。ロリコンではないです。


ところでカトレア教官ルートは実装されてますか?