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レイズ・オン・ファンタジー ギャンブラーは異世界を謳歌する

   

レイズ・オン・ファンタジー ギャンブラーは異世界を謳歌する (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
『互いの全てを賭け魂を削り合うようなギャンブルがしたい』自らの渇望を満たせぬまま、闇に葬られた高校生、鵜印勝。そんな彼が更生の女神の逆鱗に触れ転生させられた先は、なんとギャンブルで人生が左右される異世界で…!?賭博で王さえもが決まるその地で勝が出会ったのは、単純バカな女騎士リリーナ。王位継承権を持つ彼女の代打ちとなることにより、理想の勝負の場を手に入れた勝は、その身ひとつで魔法を操る超越者たちを打ち負かしていく―!「ありがとな。人生で一番おもしろいギャンブルだった」練り上げた技術と戦略で異世界を無双する、新時代のギャンブルバトル、ベット開始!
賭けるのは第二の人生。異世界ギャンブルバトル、ショーダウン!

ポーカーやルーレットに魔法ありの異世界ファンタジー風のギャンブルバトル作品。自らは魔法の力を持たない主人公が王位継承権を巡って魔法を操る超越者たちと死闘を繰り広げていて、ギャンブルの醍醐味である技術と知略の限りを尽くした頭脳戦が繰り広げられていてとても面白かった。

ギャンブルの世界で日々技術に磨きをかけてきたギャンブラーたちが華麗なテクニックを駆使して勝利をつかみ取ってきたエピソードは、現実においてもTVを通じて幾度となく目にしてきたので、今作品のなかでも披露される一部のテクニックにおいてもリアリティを感じられました。イカサマを仕掛けることはもちろんのこと、純度100%の技術にものを言わせた神業とも思える所業。
『ルーレットで狙った箇所に玉を落とす』ことが可能かどうかは定かではないが、ギャンブルに関するネタの細部が丁寧に書かれていて現実に使える人間がいてもおかしくないのでは? と思わせるオーラがある。
それらの『ギャンブラーたちの技術の粋』を異世界に召喚された主人公を通じて数々の場面で披露することで、『異世界ギャンブルバトル』という作品として突出した個性を生み出していてよかった。

強いてあげるならば、異世界における“魔法”の汎用性が低く思えてしまい、『魔法ありのギャンブルバトル』に物足りなさを感じてしまうところが難点。もちろんギャンブルバトル作品としては開始前に明確なルールに+αとしてファンタジー風にアレンジを加えられているだけで、頭脳戦を盛り上げるための助走としては十分でもあり自分としては満足なのだけれど、主人公が勝利するまでの流れが少し予定調和に見えてくるというんでしょうか。
やはり負けるからには負ける側にも死力を尽くす姿を見せてほしくもあるので、汎用性の低い魔法なだけに弱点が露見したらアウトにするよりもう一捻りが欲しくもあった。もっとも、こんな願望は言い出したらキリがないと思うんですけどね(笑)